第3回勉強会|手向地区価値再発見プロジェクト
「手向地区価値再発見プロジェクト」は、出羽三山信仰を受け継いでいる人々がテーブルを共にし、「歴史や伝統文化を受け継ぎ、「本物=出羽三山の門前町」が残された信仰がいきづく心豊かなゆとりあるまち」(「門前町手向地区地域活力創出ビジョン」行動計画より)を達成するための、具体的な方途について考えるプロジェクトです。
参加メンバーによる当日のレポートです。
今日は手向地区活動センターにて3回目の勉強会でした。
今回もオンラインでの講義方式での開催、参加者の数は固定してきたようです。皆さんの勉強熱心な姿勢が表れているのではないでしょうか。
第3回目は、立正大学教授の時枝務先生の講義です。
時枝先生は、立正大学文学部史学科教授であり、考古学を専門に日本各地の山岳祭祀遺跡の調査・研究を行っていらっしゃいます。題目は「羽黒山の考古学」。考古学というと難しいように感じますが、今回取り上げられた、「羽黒鏡」「三神合祭殿」「羽黒山頂経塚」「三鈷沢の日本刀」「月山の礫石」についてのお話はさながらマジカルミステリーツアーができそうなラインナップでした。
三神合祭殿の正面に「鏡池」があり鏡の存在は有名ですが、それらがどのようにして羽黒山に集まってきたかについて思いを巡らせたことはありませんでした。今回の勉強会で京都の貴族が、穢れを払うために鏡を羽黒山に送ったという説を聞きとても興味深かったです。どうして羽黒山が選ばれたのか?ということははっきり解明されていないようですが、方角が決め手だったのではないかな?などと追って謎解きを楽しんでみたりもしました。
また、個人的には三鈷沢の岩倉から剥き身の日本刀ができてきたという話に注目しました。現在は諸説あれど、本来の三鈷沢がどこにあるかは地元の方たちにもわからないと言われています。
私も以前よりどこにあるのだろう?と気になっていたのですが、磐座があり人骨も集積するとの伝承もあるとのことで、探してみたい気持ちもありましたが、必要に応じて隠されたのかもしれません。ですので現在の三鈷沢とされているところから祈り、昔に思いを馳せるのが良いのではないかと改めて思いました。
また先生は、宿坊のことを生きた遺跡とも表現されていたことが新鮮に思え、信仰+考古学的な観点からのツアーを作っても良いのではないかと思いました。
そして、今回伺った話は出羽三山地域に暮らす住民が知り、そして伝承してゆくことが大事なのではないかと感じました。
(text. kazama)
手向地区価値再発見プロジェクト 第3回勉強会
■日時: 令和 3 年 11 月 24 日(水) 18 時 30 分~20 時 00 分
■場所: 手向地区ふるさとセンター (オンライン同時配信)
■主催:手向地区自治振興会
■共催:出羽三山門前町プロジェクト
〜次第〜
1.開会
2.勝木会長ご挨拶
3.主旨説明・講師紹介(天田先生)
4.講演
・講師:時枝 務 先生(立正大学教授)
・講演題目:「羽黒山の考古資料」
<プロフィール>
立正大学文学部史学科教授。考古学を専門にしており、日本各地の山岳祭祀遺跡の調査・研究を行っている。近著は『山岳霊場の考古学的研究』(雄山閣、2018 年)や『山岳宗教遺跡の研究』(岩田書院、2016 年)など
5.質疑応答
6.勉強会アンケート配布・説明
7.その他(第四回勉強会のご案内と羽黒山杉並木アンケート調査について) 8.閉会