第2回勉強会|手向地区価値再発見プロジェクト
「手向地区価値再発見プロジェクト」は、出羽三山信仰を受け継いでいる人々がテーブルを共にし、「歴史や伝統文化を受け継ぎ、「本物=出羽三山の門前町」が残された信仰がいきづく心豊かなゆとりあるまち」(「門前町手向地区地域活力創出ビジョン」行動計画より)を達成するための、具体的な方途について考えるプロジェクトです。
参加メンバーによる当日のレポートです。
今日は手向地区活動センターにて2回目の勉強会でした。参加者が増え会場も講堂に変更となりました。
第2回目は、慶應義塾大学名誉教授・日本山岳修験学会会長の鈴木正崇先生の講義です。
鈴木正崇先生は秋の峰入りも行っており、著書の一つ『山岳信仰』(中公新書、2015 年)では、第1章で出羽三山を取り上げていらっしゃいます。
題目は「観光化と山岳信仰ー2000年代の変化を中心として」。
以前より修験関係の書籍では鈴木先生のものがわかりやすいと耳にしていたので、講義を楽しみにしていました。リモート講義とのことでどのような雰囲気になるのかと不安もありましたが、講義の内容と先生の熱意で、こちらの会場もリモートだということを感じさせない熱気に包まれてゆきました。
日本の霊山の開山伝承とそれに伴う現在の記念行事の例とその可能性のお話や、富士山の富士講の再興の話の中には、出羽三山地域にも活用できそうな例がたくさんあるように思えました。
富士講の再活性化において、出羽三山でいう宿坊の山先達、山伏に近い存在である「御師」に焦点を当てた「御師プロジェクト」は御師からの信仰の伝承、そして御師が宿坊で振る舞う「御師料理」を観光資源にしているというお話では、私たちにとって勉強になりそうなので体験してみたいと思いました。富士講では「御師」の子孫の若い世代の方々が現在に沿った動きを始めているとのことで、手向でもそういう動きがあるとより活性化するのではないかと思いました。
鈴木先生は、もちろん出羽三山のことにも造詣が深く、資料に改めてまとめられた出羽三山の昨今を読むと厳しいご指摘の中にも愛が感じられ、現地のものこそしっかりしないといけないなと思いました。
これからも引き続き学んでゆきます!
(text. kazama)
手向地区価値再発見プロジェクト 第2回勉強会
■日時: 令和 3 年 11 月 9 日(火) 18 時 30 分~20 時 00 分
■場所: 手向地区ふるさとセンター (オンライン同時配信)
■主催:手向地区自治振興会
■共催:出羽三山門前町プロジェクト
〜次第〜
1.開会
2.勝木会長ご挨拶
3.主旨説明・講師紹介(天田先生)
4.講演
・講師:鈴木正崇 先生(慶應義塾大学名誉教授・日本山岳修験学会会長)
・講演題目:「観光化と山岳信仰―2000年代の変化を中心として」
<プロフィール>
慶應義塾大学名誉教授。日本山岳修験学会会長。宗教学や民俗学、文化人類学などの幅広い知見を有し、日本のみならずアジアの宗教文化・民俗文化を扱った著書も多数執筆している。秋の峰入りも行ており、著書の一つ『山岳信仰』(中公新書、2015年)では、第1章で出羽三山を取り上げている。近著に「女人禁制の人類学 相撲・穢れ・ジェンダー』(法蔵館、2021年)
5.質疑応答
6.勉強会アンケート配布・説明
7.閉会