第4回勉強会|手向地区価値再発見プロジェクト
「手向地区価値再発見プロジェクト」は、出羽三山信仰を受け継いでいる人々がテーブルを共にし、「歴史や伝統文化を受け継ぎ、「本物=出羽三山の門前町」が残された信仰がいきづく心豊かなゆとりあるまち」(「門前町手向地区地域活力創出ビジョン」行動計画より)を達成するための、具体的な方途について考えるプロジェクトです。
参加メンバーによる当日のレポートです。
手向地区活動センターにて4回目の勉強会。今回は最後にお楽しみもあり、会場は今までで1番の賑わいです。
第4回目は北海道大学准教授の上田裕文先生の講義です。
上田先生は、東京大学大学院農学生命科学研究科森林科学専攻修了し、ドイツ・カッセル大学で経済社会科学博士を取得。風景計画、造園学、森林美学を専門にされています。
題目は「羽黒山杉並木の保全活用に関する調査」。事前に手向地区に全戸配布されていたアンケートの集計結果の報告と日光杉並木、戸隠神社奥社杉並木の先進事例のお話、そして羽黒山杉並木の保全活用をどうしてゆくかのお話でした。
羽黒山の杉並木は、ご存知の通り国の特別天然記念物です。アンケートの結果からも羽黒山にとっての大事なシンボル、地域の方にとっては自然と触れ合いリフレッシュする場所としても大切に考えられてることがわかりました。
私も初めて羽黒山を訪れた時、杉並木の清々しさがとても印象に残りました。しかし、老木となってきた杉並木は近年の台風の影響もあり、天然といえどもきちんと計画的に整備、お手入れをしていかなくてはならない時期に入ってきているとのこと。
日光では杉並木にある杉の木のオーナー制度で資金を集めたり、行政と市民団体との連携による組織で、まちづくりの一環としても保全活動が運営されているとのことでした。羽黒山の杉並木の規模ですと、保全にも莫大な資金が必要になってくるかと思います。その点において日光の取り組みは参考になるのではないかと思いました。
またかつて私も行き、杉並木の美しさに圧倒された戸隠神社奥社杉並木。その美しさを保ってゆく為に、同じDNAの杉を選び、苗を育て植林させていることをこの日のお話で知りました。あの揃った杉の美しさの秘密、納得と同時に杉並木の保全にDNAまで関わっていることにとても驚きました。保全…奥が深いですね。
後半は樹木医の梅津 勘一先生、普段から羽黒山杉並木の整備にあたっている出羽三山神社の鈴木さんのお話もお伺いすることもできました。その言葉から日々、杉と真摯に向き合われていることが伝わり、杉に対する熱意と愛情が伝わってきました。整備していただき心より感謝いたします。
そして、この日はみんなでしっかり学んだ後、懇親会が行われました。勉強会は大体最後が質疑応答になりますが、なかなかシャイな手向の方々、思いはたくさんあれど挙手して発言するのにに気が引けてしまうのではないかということで、質疑応答の時間が懇親会になりました。
また、懇親会があることで交流を深めたい移住者の方の参加もありました。後半はお座敷の会議室「スナック まつぼっくり」にて車座談義、熱気がすごかったです。初めて勉強会に参加した方も楽しい時間が過ごせたようで、勉強会にも引き続き参加していきたいという嬉しい声も聞くことができました。しっかり意見交換もできたのではないでしょうか?この頃はコロナウイルスも落ち着いていた時期でしたので手向の方達にとっても久々の集い、楽しい時間になりました。
(text.kazama)
手向地区価値再発見プロジェクト 第4回勉強会
■日時: 令和 3 年 12 月 7 日(火) 18 時 30 分~21 時 00 分
■場所: 手向地区ふるさとセンター (オンライン同時配信)
■主催:手向地区自治振興会
■共催:出羽三山門前町プロジェクト
〜次第〜
第一部:勉強会
1.開会
2.勝木会長ご挨拶
3.主旨説明・講師紹介(天田先生)
4.講演
・講師:上田 裕文 先生(北海道大学准教授)
・講演題目:「羽黒山杉並木の保全活用に関して」
・コメンテーター:梅津 勘一氏(一般社団法人やまがた樹木医会樹木医)
<プロフィール>
東京大学大学院農学生命科学研究科森林科学専攻修了。ドイツ・カッセル大学で経済社会科学博士を取得。風景計画、造園学、森林美学を専門にする。近著は『「林苑計画書」から読み解く明治神宮一〇〇年の森』(共編著、東京都公園協会、2020 年)など。
5.質疑応答(19:20~)
6.勉強会アンケート配布・説明
7.第一部閉会
第二部:懇親会
・懇親会開催
・閉会