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モニターツアーを実施しました。

文化庁「上質な観光サービスを求める旅行者の訪日等の促進に向けた文化資源の高付加価値化促進事業」採択事業の一環として、2021年11月25日〜27日の3日間、羽黒山モニターツアーを実施しました。

海外の方向けのプログラム「yamabushido Guided Hike」のブラッシュアップの機会として、文化庁、招聘旅行会社、専門家のみなさまに参加いただきご意見をいただきました。

メンバーによる当日のレポートです。


玉川寺での座禅体験

朝9時、最初のプログラムは玉川寺での座禅体験でした。
庭園の紅葉は終わってしまっていましたが、雪国ならではの雪吊りが風情を醸し出しており、参加者の撮影スポットとなりました。どんな時期に訪れても、四季折々の良さがある素晴らしい眺めを楽しむことができるので訪れる楽しみとなっております。

座禅は本堂で行われました。このところせわしなく雑念まみれだったのですが、良い機会をいただけたと思い座禅に集中しました。今回は休憩を挟み2回行われました。心を無にしたのち、緩めるとなんともいえない爽快感が訪れました。また不思議なことに座禅の最中は寒さを感じないのですが、足を崩すと急に肌寒さを感じました。心を静寂にすると、余分な感覚もなくなるのでしょうか?

座禅の後にはご住職がたててくださったお抹茶と和菓子をいただき更に心がほぐれました。隣のお茶室を見学させていただき、最後にご住職から庭園についてや周辺の地形のことなど、幅広いお話を伺いました。初めて知ることも多く勉強の時間に、中でも羽黒山の松例祭で使われた火打石の1つが、休止した時期をのぞいて毎年玉川寺に納められているということが興味深かったです。

「御食事処 いしい」にて精進蕎麦膳

玉川寺でゆっくりとした時間を過ごさせていただき、気がつくとお昼です。
昼食は出羽三山精進料理プロジェクトの加盟店でもある「御食事処 いしい」にて精進蕎麦膳をいただきました。

季節によって様々な天然の出羽三山の山の恵みをいただけるお店ですが、今回は時節柄ご主人が採取した天然なめこの温かいつけ汁が添えられ、秋の味覚を堪能できました。また精進料理やヴィーガン食をご希望される観光客も増えてきている昨今、開発された精進出汁も美味しく今後の販売が楽しみです。

羽黒山登拝

また心を引き締め直し、いよいよ羽黒山登拝です。レインウエアに着替え、ツアーの参加メンバーは笠と金剛杖をお借りし準備は万端、大進坊の早坂先達より登拝修行のご説明をいただきました。

早坂先達の「おた〜ち〜」に「うけたも〜!」と参加メンバーが応え、法螺が響き渡るなかいざ出立です。雨の平日でしたが、学生の団体や観光客も多く賑わいを取り戻しつつある光景を目にし嬉しくなりました。元の賑わいが早く戻りますように…。
庄内はここ数日雨が続いていたので 須賀の滝の水量が今までにない迫力でした。隋神門手前の天地金神社から始まり、各御社で三山拝詞をお唱えしながらの登拝です。要所要所でお唱えしながら登拝したことはありましたが、全ての御社でお唱えしたことはなかったので、まさに登拝修行でした。

山頂まで登拝し斎館にて意見交換を行いました。

晩秋からの三山掛けをできない時期も、羽黒山を中心に周辺の寺院や神社を含めて巡る今回のツアーは、コンパクトな時間ながら様々な魅力の発見と体験を持ち帰れ、この地域のファンを増やす可能性を感じました。

(text. kazama)